練乳といちご

アイドルオタクのひとりごと

好きだって一言、今なら言えるから

たくさんたくさん、心の準備をしてきたつもりだった。

 

「最後のライブ、配信しますよ、誰でも見れますよ」なんてそんな幸せなことがあっていいのだろうかと思った。彼らの輝かしい門出を見送りたくて、ありがとうと言いたくて、その日が来るのを、しっかりと未来に見据えていた。

 

しかし未来は、思っていたほど遠くなかった。

 

気がづけばあっという間にやってきた11月1日。

 

朝からずっと、気を緩めれば涙がこぼれそうで、でも彼らの曲が聴きたくて、大学に向かう電車で必死に涙をこらえていた。

20周年の際に作られた「~此処から~」を聴きながら、”感謝なんてしたくない サヨナラはまだ早いから”と歌ってくれたあの時から6年の月日が流れ、ついにサヨナラをする時が、感謝をする時が来たのかなんて気が付けば涙が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

あと二時間、一時間半、一時間、三十分……。

 

彼らの最後のステージが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうずっとずっと泣いていた。人間ってこんなに涙出るんだ。そう思うくらい、恐らく人生で一番泣いた。

 

6人が歌う度、踊る度、その表情が映る度に、あまりに洗練されすぎたパフォーマンスに魅了され、26年目にしてまだまだ進化を感じるこんな素敵なステージを届けてくれることに涙し。

 

大好きで懐かしい曲、思い出の詰まった曲が流れる度に、井ノ原くんが場を明るくしようとおちゃらける度に、これも今日で最後かと涙し。

 

岡田くんが画面の中で輝くたびに、世界で一番好きだなと涙しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し岡田くんの話をしますね。

 

何を隠そう、私はV6の中では岡田くんの担当でした。

 

整った端正な顔、甘く響く歌声、6人でいる時の圧倒的末っ子感、剛健に振り回される姿、ストイックで自分に厳しい性格、何事も極めようとする姿勢、紡がれる優しくて素直な言葉、すぐに赤くなる耳、照れたような笑顔、アイドルとして放つ輝き、

 

彼の好きなところなんて挙げ始めればキリがありません。

 

それでも、私は一度彼から離れた時期がありました。

 

アイドルとしての彼を見ているのがつらくなって、素直に応援できなくなって、逃げました。全てを彼のせいにして。

 

岡田くんから離れたということは、必然的にV6からも離れることになるわけで、まぁ結果的にはその期間があったからこそ今の新たな自担に出会うことができているわけですが、私は同事務所内の他のグループを応援し始めました。

まさしく健くんが公演後にあげたブログにあった「どんなに大きくて大好きな存在でも、それがなくなれば人は違う楽しみを求めて移り変わって行く」ですね。胸に刺さるものがありました……。

 

離れたとはいえ、テレビに出ていれば見るし、気に入った曲ならCDも買っていたんですが、私の射程範囲が増えたこともあり、ついにファンクラブをやめる決意をしていました。

 

私の更新月は3月です。

 

そう、解散のお知らせが来たのも3月。

 

下手をすれば、私は解散のお知らせの動画を見ることができなかったわけです。

 

本当に良かった……と今は思います。辞めるつもりだったのに、その動画を見てどうしようもなく溢れてきた涙で、「私やっぱりV6のこと本当に好きだったんだな」と思いました。

 

今日の岡田くん、世界で一番カッコよかったんですよ。

 

末っ子なのにずっと堂々と、誰よりも誇らしげな顔でステージに立ってたんです。

 

お兄ちゃんたちに負けず、自分の26年間の全てを掲げて、胸を張ってパフォーマンスしていました。本当にカッコよかった。

 

というか25周年辺りからめちゃくちゃダンス上手くなりましたか……?

V6を見ているとやはり剛くんと、個人的には井ノ原くんのダンスに目が行くのですが岡田くんの気合の入り方がある時から格段に違っていたように見えたんです。

 

今回のライブももちろんそうでした。

 

そして私にとってはこれが本当に嬉しかったんです。

 

私が出会って少ししてからの岡田くんは、アイドルに対してのモチベーションが低かった時ではないかなと勝手に思っていて。

真意はわかりません、少なくとも見ている限りではそう思いました。

 

だからダンスも、少し抜いた感じの動きが多くて。

まぁ音楽番組に出る度に100%で踊る人なんて、他のグループを見ていても珍しいし、特に踊り慣れた曲なんかはそうなるんですけど、ライブ映像を見ていてもテレビを見ていても一際そう感じることが多かったんです。

 

だからこそ今回というか最近、気合いの入った、ひとつひとつの動きに魂がこもったような、26年の本気を見ているかのようなダンスが見られるのが本当に嬉しかったんです。

俳優業との両立に悩んだ時期を乗り越えて、この人は最後までV6でいることを選択し、そしてその選択に彼自身がとても誇りを持っている、その事実がどうしようもなく嬉しかった。

 

ようやくもう一度、心の底から、素直に、好きだと言えた瞬間でした。

 

彼以上に好きになれるアイドルは、後にも先にもいない、そう思います。

 

「俺これ一回やってみたかったんだよね」と、最後にしてMFTPのトニセン足上げの時にあまりしゃがまないというトラップを長野くんに仕掛けてみたり、TAKE ME HIGHERの井ノ原長野による岡田争奪戦(岡田くんがどちらの肩に手を置きながら歌うか)では最後だからと歌うことを放棄してまで両方の肩に手を置いてみたり、隙あらば長野くんの身体を触ったり、自由に楽しそうにしている姿を見て、岡田くんにこの場所があって本当に良かったなと思いました。

 

 

 

”岡田くんが末っ子でいられる場所がなくなってしまうのではないか”

 

 

 

涙が止まらなかった理由には、これも含まれていました。40歳となった彼がいつでも末っ子でいられた場所。いつもは真面目過ぎるほどに真面目な彼が、少し羽目を外して自由奔放に振舞える場所。それがもう、なくなってしまう。

 

でも、彼はむしろこの26年間でこんなに素敵な5人のお兄ちゃんができたことを私たちに自慢しているように見えました。

「俺にはいつでもこの5人がいる」

そんな言葉が聴こえてきそうなほど、誇らしげに、楽しそうにパフォーマンスするあなたの姿が最後に見られて私は本当に幸せでした。

出会ってくれてありがとう。ずっとずっと大好きだよ。

 

 

 

 

 

 

最後の一曲、95grooveを終え、「俺たちがV6!」とステージを去って行った6人。

 

もう二度と6人の姿を見ることはないのだと思うと、想像以上にきつかった。どれだけ泣いても涙は止まらなくて、私の青春の全てが終わった気がして、明日からをどう生きていけばいいのかわからなくなった。

 

それでも、ライブ終了から4時間ほど経った今、私がにこにこしながらこのブログを書けているのは、間違いなく健ラヂのおかげです。

 

ライブが終わって、日付が変わる0時から始まる健くんのラジオ。公演後すぐに移動し、初の生放送でラジオを届けてくれた健くんには本当に感謝してもしきれません。

 

一秒前までV6だった健くんが、個人の三宅健として、ひとつひとつ丁寧に言葉を選ぶように喋るラヂオ。まだ現実に追いつけていない、11月2日に来ることができていない私たちを急かさず寄り添ってくれているようでした。

 

「インスタ開設するよ!」「今から3分だけインスタライブするね!」

健くんらしいスピード感で始まったインスタライブを微笑ましく見ながら、心安らいでいたのも束の間、そこに突然殴りこんできた二人の人物によって私の涙は一気に吹き飛ぶこととなりました。

 

?「映すなよお前ー!」

 

意気揚々と乗り込んできたのは同じく先ほどまでV6だった井ノ原くんと長野君でした。

 

 

 

え???????(笑)そんなことある??????(笑)

 

 

 

って感じでした(笑)

 

お酒を片手にほろ酔いで乗り込んできた井ノ原くんと、俺も行くとついてきた長野くん。

 

公演後に太一くん主催でひとりずつ感想を言う地獄の会が開かれたこと、Kinkiの剛くんがTシャツをプレゼントしてくれたこと、メンバーの剛くんと「大好きだよぉ、ありがとねー!」と抱き合ってきたことを教えてくれて、「長野くんの挨拶が長かった」とイノ健が文句を言い始め、「俺たち死ぬわけじゃねぇから!」「健も俺たちのラジオ出てよ」「えー行くいく」なんてわちゃわちゃしていたらブチッと切れて終わったラジオ。

 

なんか、なんだったんだろう(笑)何をこんなに悲しんでたんだろう(笑)

 

別にこの人たち、もう会っちゃいけないわけじゃないし、お互いの名前を出しちゃいけないわけじゃないし、何より”V6”っていうくくりはなくなるけど26年間で築き上げた6人の関係性が一夜にしてなくなるわけでもなんでもない。

私は何を勘違いしていたんだろう。

 

さっきまであんなに涙として溢れていた悲しい感情が、全て吹っ切れた気がしました。

 

健くん、井ノ原くん、長野くん、本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

私が好きだった6人、たくさんの幸せをくれた6人。

 

「俺たち解散したことないからさぁ」

 

「これでさよならじゃないんで」

 

「またこの景色を見たい」

 

 

6人が残してくれた素敵な言葉を胸に、私は今日も世界で一番大好きな6人のことを想っています。

 

26年間、本当にありがとう。

 

こんなに素敵なアイドルに出逢えて私は本当に幸せでした。

 

だから今度は6人が、たくさん幸せを見つけてください。

 

 

 

 

 

大丈夫と、ありがとうを君に。

 

 

 

 

 

 

2021.11.01